閑話休題
話が全く鳩から逸れるので、少し気が引けますが、面白いと思った話をここに紹介します。
8月13日火曜日夜、筆者はディルク・リーケンス夫妻とオランダ南部のカジノで、遊興しました。その帰りです。彼、ディルクが、「明日は、僕は釣りだ」と言うので話を聞くと、どうもスポーツ・フィッシングのようです。キャッチ・アンド・リリースで、釣った魚は一切食べないというのです。オランダやベルギーの鳩界人には釣りをす人が結構多く、オランダの有名な競翔家ヘンク・シモンズ氏は、日本のガマカツの契約プロでもあります。そして海釣り以外は、殆ど食べないそうです。「是非見たい」と言うと、「見に来るのは構わないが、明日は競技会で、10人のメンバーしか参加出来ないから、釣ることは出来ないよ」と言われましたが、とにかくスポーツ・フィッシングというのは、興味があったので、同行させて貰うことにしました。

競技会の釣りは2時から夜の7時半迄。しかしいろいろあって会場には1時までに入らないとならないからと言われて、翌14日の昼過ぎに再びディルク・リーケンス宅を訪問し、その足ですぐ会場?の近所の釣り場に行きました。
行ってビックリ。そこは大きな池のいわば釣り堀です。よくよく聞くと、これは商売で、クラブ・ハウスがあって、そこのオーナーが経営しているのだとか。釣り堀なのに、釣った魚は、全て競技会の後、池に放すのです。これは儲かるだろうなと思いました。
なぜならここは釣り堀なのに、釣るのに1人5ユーロ支払い、釣り道具の貸し出しは一切無し。釣った魚も持ち帰れないのです。(更にクラブ・ハウスは、ドリンク等の売り上げもあります)
しかも見ていると、皆全て自分の釣り道具持参です。椅子、釣り竿、網、魚籠、餌台、パラソル(暑い日のみ)。それぞれの参加者が、それこそリヤカー1台分位の装備を車から下して、セッティングするのです。
餌はゆでたトウモロコシです。僕は日本でも釣りをしないので分かりませんが、ゆでたトウモロコシには驚きました。

この釣り堀の魚は、ディルクによると、コイではなくカープだというので、所謂錦鯉ではなく、普通の鯉かと思っていたら、うろこの大きないわゆるドイツ鯉が1種類いるだけで、競技会はその釣った総重量競うのだそうです。ただ参加者もこの日は僅か10人のメンバーだけなので、特に大きな賞がある訳でもありません。
ディルク・リーケンス以外は知らないメンバーなので、最終結果で誰が勝とうと、余り興味もなく、途中で引き上げましたが、久々にノンビリ気分を味わうことが出来ました。
吉原謙以知
