ベルギー短信⑪
8月1日月曜日 このベルギー短信も、今回の後、暫く休載です。私、吉原自身が、間もなく帰国しなければならないからですが、同時にヨーロッパの2016年度の主な成鳩の重賞レースが殆ど終了したからです。まだ中距離Nレースは残っていますが、私の関心事である長距離は、全て終了しました。明後日帰国し、また13日からこちらに来ます。
私が、共同でレースを始めるブランス=ヨシハラ鳩舎もお陰様で、基礎は整いつつあります。何れ将来紹介する機会があるかも知れませんが、かなりのチャンピオン鳩の血筋を種鳩に揃えられそうです。コール・デハイデ氏の作出鳩や、ヤン・ヘルマンス氏の作出鳩も舎外で飛んでいます。
7月30日のヴェルヴィンスからの訓練では、僅かに1羽だけ入賞しました。負け惜しみのようですが、長距離鳩だけでレースする以上、訓練での入賞は望んでいる訳ではありません。飽くまでも目標は3年後です。
ベルギーでは、ファンラール兄弟の1才鳩B15-6062678が、ジャルナックN1才鳩レース705Kで、Nゾーン1,843羽中に優勝し、チュールNレース664Kでも1才鳩7,283羽中総合13位に入賞し、KBDBの1才鳩Nエース鳩長距離第1位をほぼ確実なものとして、中国からの買い手を待っています。
またオランダのテオ・ベルベン鳩舎の超銘鳩は、もっと凄い成績でした。NL10-1943236 BC 雄は、2013年にサンバンサンN10,123羽中総合49位、ダックスN7,461羽中総合4位、タルベN8,707羽中総合203位という驚異的な成績を挙げ、長距離Nエース鳩の第5位となりました。1年間に3回1000Kを飛び、全て上位2.5%内入賞という成績は、選考方法の違いから仕方ありませんが、解釈の仕方によっては、Nエース鳩1位以上の価値があると思います。
この鳩は、14年にもサンバンサンとダックスのふたつのNレースでともに上位5%以内に入賞したのですが、不運なことにその年負傷して、暫くレース参加が出来なくなりました。そして2015年、本来であれば一番年齢手にも体力の充実していた筈の1年間を棒に振り、今年Nレースの舞台に返り咲きました。 その結果、この鳩は見事、ボルドーN9,687羽中総合10位、ダックスN4,616羽中総合11位という成績に輝いたのです。1羽の鳩が一生で4回上位0.5%内という成績は、滅多にあるものではありません。しかも昨年は1度もレースしていないのです。
実は他にもまだまだ紹介したい超銘鳩もいるのですが、いずれ少しずつベールを脱いでいくでしょう。ただ私の在籍しているチャンピオン商事としては、これら全てのチャンピオンが、全て我がパートナーである、ヤン・ヘルマンス氏の手を経て、日本や中国に導入される可能性が高いのは嬉しい限りです。