ベルギー短信⑨
7月18日 月曜日 超銘鳩花盛り、とでも言いましょうか。いずれ他の超銘鳩も紹介出来るでしょうが、レース・シーズンの半ばを過ぎ、しかも天候不順のレース・シーズンには、凄い記録が生まれ易いのかもしれません。
今日もその1羽を掴んできました。まずその成績をご覧ください。
15年 イソウドゥン N11,984羽中総合 5位
16年 アルジャントン N11,780羽中総合 2位
ブールジュ N19,889羽中総合 28位
シャトロー N 9,492羽中総合 33位
アルジャントン N18,363羽中総合 45位
モンリュソン N10,753羽中総合119位
この成績は、15年生まれのある1才鳩の成績です。筆者吉原謙以知としては、この成績を最初に見た時に、オランダの鳩かと思いました。オランダではこのような当日長距離の万羽レースが多く、しかもこのような使い方をする鳩舎も多いからです。
でもこの鳩舎は、ベルギーで、今もっとも成績の良い鳩舎、ウィリー・ダニエルス鳩舎の代表鳩サラB15-6034008 BC 雌の成績です。そして恐らくこのサラは、今年のベルギーのNエース鳩第1位の地位が約束されています。
同鳩舎が、先ごろシャトローNレースで最高分速総合優勝をしたのも1才鳩でしたが、そのシャトロー総合優勝鳩もアルジャントンNレースで、12,449羽中総合9位に入賞しており、同腹(雌2羽)ともども、素晴らしいチームを形成しています。
同鳩舎の鳩を既に導入しているキース・ボスア氏が、行こうというので、今回の訪問となりました。キース・ボスア、リック・ヘルマンス、ウィリー・ダニエルス、何れも雌をWシステムで飛ばす専門家でもあります。ただ違うのは、最初の2鳩舎が雄もそれなりにレース参加するのに、W.ダニエルスは、雄でレースするのは殆ど例外的なことです。
我々が彼を訪問した際、丁度昨年来3回目のドーピング検査が行われていました。成鳩4羽、若鳩4羽の糞を採取するのです。彼のようにナショナル総合優勝が頻繁では、仕方がありません。
ダニエルス氏と話していると、或る人物を思い出します。小柄で、控えめ、喋る際も遠慮がちで、そのことを言うと、ヤン・ヘルマンスも全く同感でした。その人物とは、弊社チャンピオン商事の小峰幹夫です。彼、小峰がレースマンならダニエルスのような強豪になったかも知れません。
さて話がだいぶん脱線しましたが、彼の超銘鳩サラ、シャトローN最高分速総合優勝鳩B15-025は、何れも素晴らしい雌でした。小ぶりでゴム毬のような筋肉で、欠点がありません。
そしてこれらの鳩の直仔が、全て今年のゴールデン・10に出てきます。しかし実は、この2羽は今公開競売されていて、既にそれぞれに8万ユーロの値がついています。ヤンは、本当はこのサラが欲しいのです。しかしこの金額では買えないし、雄ならばもっと高い値段を付けられたでしょう。今年のゴールデン・10には、したがってこれらの鳩の最後の直仔が出ます。また楽しみが増えました。