ベルギー短信③

 近郊について。このヘールシュは、雉やウサギが頻繁に見れる田舎とは書きましたが、日本とは異なるもうひとつ珍しい現象の地域でもあります。

 ベルギーは、もともとフランス語圏とオランダ語の方言であるフランドル語圏のふたつにまたがっており、首都ブリュッセルを中心にほぼ東西に線を引いた地域が、その境になっています。

 従って首都ブリュッセルでもフランス語とフラマン語の地域に分かれて言葉が使われていますが、

この村も同じです。ヘールシュ村自体はフラマン語なのですが、2、3K先はもうフランス語圏なのです。ですから僕も生活はフラマン語圏でありながら、買い物はフランス語しか使われないスーパーマーケットで行います。

 何とも妙な気分になります。ですからベルギーのような国で、政治家等に問われる資質の第一は語学力です。日常フラマン語しか喋れない人でも、フランス語圏の住民と自由に意思の疎通が出来ないでは、住民の理解を得られません。そして逆に違う言語圏の住民を理解出来ません。

 それはあらゆる社会で同じことが言えます。例えば鳩の協会、かつてベルギーには、フランス語しか喋れない唯一の会長がいました。ファンスピタール氏です。

 その為、それが弊害となり、会員の声がすべて理解できる会長、というのが不文律となりました。

 もともとベルギーでは、フラマン語圏が強く、経済、産業も豊かなのです。例えば、僕は日常生活をする上で、レンタカーに頼っていますが、何しろ走行距離が半端ではない為に、(ちなみに5月6日夜から31日現在までの走行距離は、8600Kに達しています)これまで自動車とトラブルにも遭い、日本でいうJAFのお世話にもなりましたが、最近驚いたのはパンク修理です。

 ド・ダィフのあるアントワープの近くでタイヤがパンクしたのは去年のことでしたが、修理代は26ユーロ(約3,000円)でした。

  ところがこのヘールシュの村で朝起きたらタイヤがパンクしていたので、困って散々探すと、すぐ近くにヨコハマ・タイアの代理店もやっている田舎の自動車修理工場に行ったら、いかにも素朴で人が好さそうなおじさんが修理してくれ、お代を尋ねるとなんと僅か10ユーロなのです。

 1000円余りでは、いまどき日本ではそれこそチャリのパンク修理代でしょう。

 そこはフラマン語圏でしたが、やはり境を接するこの地域では、これが経済の実態なのかと考えさせられました。

 やはり地域格差の大きな地域では、それは必要だと思いますが、日本の協会も役員のための協会ではなく、会員のために身を投げ出す役員は、いつあらわれるのでしょうか。

6月2日木曜日 今日もベルギーは、朝から土砂降りの雨でした。連日の大雨です。ぼくの記憶している限りでは、ベルギーの初夏でこれほどの連日の雨というのは、なかなかありません。

 実際、ヨーロッパが夏を鳩レースのシーズンとしているのも、本来は夏の天候が安定しているからです。

 かつて並河先生は、

「ヨーロッパでは、雨が降ると行けれども、日本の雨と比べれば大したことはありません。車で30分も走れば、すぐに止んでしまうような雨ばかりなんです。

 だから日本のような変わり易い天候とは、全然違うんです」

 というようなことを仰っておりまして、これには僕も賛成というか、その通りだと思っていました。しかし最近、連日眠れないような、屋根を叩き付ける滝のような雨音にさらされると、今までの自分の認識は何だったのだろうと、迷うことがあります。

 しかし同時に気付いたのは、今まで自分が宿泊していた建物というのは数階建てで、屋根の雨音を直接聞かなくて済むような建物にばかりおりました。

 そこで迷ってしまう訳ですが、やはり生活する環境で、これほど印象が違ってしまうものかと、改めて驚くと同時に、自分の感覚の曖昧さに気付かされる次第です。

 ただ週末のレース放鳩日には、晴れるのでそれだけが、救いです。

 今週は、ヴァランスと第1回シャトローのNエースが予定されています。ヴァランスは、ワロン長距離クラブの主催ですから、それほど多い参加ではないかもしれませんが、シャトローⅠのレースは、KBDB主催ですから、かなりの参加が出るでしょう。

 さてどこが優勝しますやら。

6月2日、というより既に3日の午前2時40分に、この短信を書いています。その理由は後で述べるとして、この2日の木曜日は丁度北京からこちらに来ている張さんが、ヤン・ヘルマンスのところに来ていたので、会いに行ってきました。彼と会うのは5年ぶりです。

 ところが、ちょうどヤンのところで張さんに会っている最中に悪いニュースが入って来ました。

 それは今週予定されていたシャトローからのNレースの中止をKBDB協会が決定したというのです。ヤンの息子のリックは、このシャトローに合わせて調整していた雌の選手鳩が、せっかく最高の状態に仕上がっていたのに、中止とは何とも残念な話です。リックは、相当に悔しがっているようでした。

 それというのも先に書いた異常な悪天候が原因です。昨夜は、オランダ南部があちこち道路上10〜20センチ冠水し、車が走れない状態だったそうです。

 僕は、運よくヤンのところに行けましたが、それでも2ケ所ほど道路が冠水していて、迂回路を通ったり、規制がひかれていたりしました。

 実は、この原稿を今書いている、すなわち今帰宅したのも同じ理由です。帰り道があちこちで遮断され、通行止めの状態だったのです。運悪く僕の車のカーナビが壊れていて、おおよそのあてずっぽうで走った結果、この遅い帰宅となりました。

 今後も暫く悪天候が続くようですが、なるべくレースの中止だけは避けて欲しいものです。

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