ベルギー短信②

 ここで僕が今滞在しているヘールシュという田舎について少し紹介してみましょう。今回、このヘールシュという土地を選んだのは、バケーション・ハウスとしては、非常に郊外で格安だったからです。ちなみにベッド3つで、必要な家具やテレビも備わっていて1ケ月の家賃は、9万円余りです。長期滞在のアパートなら、同じくらいの金額で、アントワープや都市部でも借りられるのですが、短期滞在では、このくらいが相場です。
 周囲は、サイクリング・コースもある畑や放牧場で、昼間から野生の雉、うさぎなどが、多数見られます。
 もちろん交通機関といえば車しかなく、5月6日にこちらに来て以来、今日は24日ですが、既に走行距離が5400Kになりました。車はレンタカーなのですが、昔ならレンタカーは、借りた日数プラス走行距離で清算しなければならず、最終的にはとても支払い出来ない金額になってしまうでしょう。今は、日数だけなので助かります。
 でも不便な点はたくさんあります。周辺には何もお店がないのです。あらゆる小売店がなく、スーパーも隣村に行かなくてはなりません。長閑といえばのどかです。しかし日本では都会暮らしの私にとっては、退屈でしかありません。正しく鳩を飼育し、鳩レースに打ち込むなら最高の環境なのです。

 ところがこのような田舎町でもヘンな点がひとつあります。近くを幅50メートルほどの国道が走っているのですが、その両側に多数のいわゆる飾り窓がならんでいるのです。
 再度書きますが、これは繁華街ではありません。国道の両側はほとんど民家、住宅、あるいは僅かの小売店、そしてその裏側や間あいだは、全て畑、牧草地、森といった環境です。そういった地域にポツン、ポツンと半裸の女性が立ち並ぶ飾り窓があり、表を小学生達が手をつないで歩いているのです。
 人から聞いた話では、この地方は貧しく、一般女性が仕事を探しても、何しろ職がないために、政府が認めているんだそうですが、夜ならともかく、午前中からこういう光景に出くわすのは異様な印象でしかありません。

 5月28日、土曜日。この日はブールジュとリモージュのNレースの日。それぞれのレースの結果は、既に既報の通りですが、この日は別項でも書いた通り、エディ・グローチャンスの結婚式でしたので、そのことを詳しく書いてみましょう。
 僕がベルギー、オランダでの結婚式に参加するのは、デズメット=マタイス、ブリュッヘマン兄弟の末弟ジョス・ブリュッヘマン、リック・ヘルマンスについで4回目だと思うのですが、もしかしたら、他にも忘れていて出ている結婚式があったかもしれません。
 今回は、ベルギーでもオランダ国境に近いブラスカートのホテルでした。恐らく出席者は100名程度です。鳩飼い仲間夫妻の他、彼の職場であるナチュラル社の作出ステーションからもエディの友人夫妻5組ほどが出席しました。
 驚いたのは、エディの雇用者であるナチュラル社からステファン・デスカイマーカー社長もヨセフ・デスカイマーカー氏も出席しなかったことです。社長はドイツに出張中で、ヨセフ氏は、現在、週末はすべて公務をお断りしているのだとか。そしてこれはべつに彼らが冷たい訳でもなんでもなく、お互いに気にはしていない様子でした。

 形式としては、これほど簡単な結婚式は、僕は初めてでした。
 午後7時半からパーティーは始まったのですが、出席者(参列という儀式的な結婚式ではなかった為)は、定刻ではなく随時会場に現れ、出迎えるエディ&ハイジ夫妻にお祝いの言葉を述べ、お祝いを手渡しし、カメラマンに記念撮影されます。
 会場内はテーブルがありますが、席が決まっているわけではありません。ドリンクとカナッペが振る舞われ、出席者同士が歓談します。
 そして出席者が全員揃ったところで、ケーキの入刀。これはアナウンスがありましたが、何しろスピーチも結婚行進曲もない結婚式ですから、きわめてシンプル。そしてこのケーキ入刀が唯一のセレモニーといえばセレモニーでした。
 それから食事も出ないまま、いきなりデザート・ビュッフェなのです。このような形式の結婚式は、僕もヨーロッパで初めてでしたが、誰も不満そうな表情を見せず、「多分、エディは最近、この近くに土地を買って、金がないんだろう」
 と笑い飛ばします。日本では、不謹慎な話ですが、葬式は黒字、結婚式は赤字とか言いますが、今回の結婚式は、間違いなく黒字だったでしょう

。なぜなら大抵の出席者が1人平均100ユーロ程度つつんでいるからです。ちなみに僕はマルゴーとメドックの赤2本セットに50ユーロを包みました。

 僕とヤン夫妻、リック夫妻が会場を後にした帰り道、飲んでホテルに泊まるディルク・リーケンスからメールが入りました。
「オーイ、リック。残念だったな。君らが帰ったあと、ダンス・パーティ中に、最高に豪華なフレンチ・フライのマヨネーズ添えが出たぞ」
 フレンチ・フライは、ベルギー人の典型的な庶民のスナック、あるいは主食で、もちろんディルクのメールは、ジョークです。

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