ヨーロッパ短信
日本では、リニア新幹線が時速600Kを越える世界新記録をマーク、ドイツでは65才の女性が4ツ子を出産するなどこのところニュースが多彩です。
筆者もこの4月1日からベルギーですが、今回も3週間で既に走行距離が、10,000K近くになりました。暇な時はカジノに行ったりしています。
そろそろ日本のレースは終盤を迎え、凄いニュースでもないかと期待しておりますが、当地でもいよいよ2015年のレース・シーズンが開幕しました。
今週、4月18日の最初の160Kレースで、友人のヤン・ヘルマンスが早速優勝を飾りました。(総合では2位)
最近は、ベルギーでも桜や梅をよくみますが、当地では桜が散る頃が、丁度レースの開幕シーズンなのです。
明日は、この度亡くなられたヴィクター・ファンザーレン氏の葬儀に出ます。ヴィクター・ファンザーレン氏といえば、故並河靖先生との対談を思い起こします。
お二方共、巨匠、作出の理論家として有名でしたが、このような方々が鬼籍に入られる度に、時代の流れを感じます。
また新たなスター、凄いチャンピオンが出てきて欲しいものです。 (吉)

カイパー兄弟とファンザーレン氏(中央)

故・並河靖先生(右)と
(追記)
昨日、この4月14日に亡くなられた、故ヴァイクター・ファンザーレン氏の葬儀に参列しました。ベルギー、オランダの冠婚葬祭には、随分と出席しましたが、故ファンザーレン氏の 葬儀は、珍しく無宗教の葬儀でした。
最近、日本でも多い、葬儀場を利用しての葬儀ですが、無宗教の葬儀ですから、牧師さんはおりません。とは言え、葬儀ですから極めて厳粛で、宗教的色彩の強い物にはなります。
広いホールの最前列には、遺影が飾られています。そのスクリーンには、写真が投影されます。
司会者、というかナレーターが、静かな音楽の流れる中、故人のプロフィール、業績、人柄を紹介します。故ファンザーレン氏は、ゴッホ、ピカソ等の芸術家に私淑し、書籍に通じ、見分を広め、鳩レースに関する著述だけでも7冊の本を執筆しました。
食通で、なおかつワイン、シャンパンにも通じ、フランス、ベルギーでも一流の店では、よくその名前を知られていました。
それらの事が紹介された後、次に長男マルク氏の弔辞が読み上げられます。そして最後に参列者が前列より、順次棺に献花して、最後の故人との別れを惜しみます。その間約、30分。 しかし無宗教とは言え、如何にも日本の葬儀にも似ている印象でした。
参列者は、昔の葬儀ほど黒一色ではないにせよ、基本的に明るい服を避け、正装しています。葬儀の後のなおらいも、故人にちなみシャンパンが振る舞われた他は、コーヒーと食事が供されます。
故人は、1926年2月の生まれでしたから、89年の長寿を全うされました。故並河靖先生との対談は一度だけでしたが、鳩界の理論家であった点、共に長寿、共に食通、共にシャンパン、ワインをこよなく愛され、他の芸術にも造詣が深く、正に好ライバル同士でした。 (吉)